早坂相のユニゾン!

~早ママのロンリーナイト人生相談~

みんなのアニキになんか絶対になりたくないし、なぜかオネエっぽいっと言われてしまうボク早坂相こと早ママ。そんな早ママがいたって真面目にみんなの悩みに真剣に向き合っていきますよ。

 じゃメールを読んじゃうよ。

 

 ラジオネーム、otaさん。

早坂さん、こんばんは。

私の悩みは、夢中になれるものが見つからない、ということです。

私はとあるアイドルグループを6年間、デビューから解散まで応援してきました。紅白に出場したり、リリースのたびにランキングを賑わしたり、そういう全国区の有名アイドルではなかったですが、地元を盛り上げるために真摯に活動を続け、寂しさや悔しさなどネガティブな姿もファンの前で正直に見せてくれて、そしてどんな逆境でも一生懸命に立ち向かっていく、そういうグループでした。彼女たちが頑張っている姿を見て、何度も励まされました。ファンだけでなく業界関係者も含めて、本当に多くの人に愛されながら、一番の輝きを残して彼女たちは解散しました。

私はそのアイドルグループが解散して以降、どんなことにも夢中になれずにいます。相変わらず仕事をしながら、休みの日には元メンバーのソロイベントに足を運んだり、他のグループや事務所の後輩ユニットのライブに行ったりと、決して楽しいことが全くないわけではありません。

しかし、ふと思ってしまいます。

「一人でも多くの人に彼女たちを知って欲しい」とネットで発信を続けたり、友人にCDを布教したり、ライブの前日には一生懸命ファンレターを書いたり、ライブ中大声で好きなメンバーの名前を呼んだり、そうやって、一方的な思い込みかもしれないけど「彼女たちと一緒に駆け抜けてきた」過去の方が、今よりずっと輝いているんじゃないか、と。

グループ解散後、ますます活躍を続ける元メンバーや、あるいは新しい世界で生き生きと楽しそうにしているファンだった人たちを見ていると、自分だけが過去に取り残されたように感じます。

とても面倒なことを相談しているのはわかっていますが、何か抜け出すための言葉を頂きたくメールさせていただきました。

 

と、なるほどね。

生まれたばかりの赤ちゃんが、ようやく二本足で立って、転ぶことを知った、そんなところだね。

結論から言えば、夢中になれることは必ず見つかる、ということ。但しキミが本当に見つけたいと望むのならね。

キミはアイドルを応援する、その日々にどうして幸せを感じたのかな。

これを読んだ感じだと、キミはずいぶん熱心なファンだったんだね。アイドルちゃんたちの晴れ舞台のためなら、微々たる給料と貴重な自由時間の多くを捧げてきたんでしょう。知らない人からしたらどうでもいいようなことに、どうしてこんなに夢中になれたのか。

 それはね、キミが応援するアイドルたちに真剣に向き合って、全力で幸せにしていたからだよ。

世の中はねえ、与えたものがそのまま返ってくるようになっているんだ。本気には本気を、適当には適当を、誰かを幸せにする人には、同じ分だけ幸せが返ってくるようにできてるんだ。

ボクはこれまでに多くの人に愛される曲をリリースしているけど、いつだってボクはボクの音楽で世界の彩りが増し、人々が豊かになって欲しいと本気で創ってきた。

キミはもうね、「こっち側」の人間なんだよ。美味しいものを食べたい、友だちと遊びたい、誰かに幸せにして貰いたい、そうじゃない。誰かを笑顔にしたい、支えになりたい、幸せにしたい。キミは無意識に飢えているんだよ、そういう人間の根源的欲望に。その欲をもう知ってしまったから。だからキミは今、自分を喜ばせる一方通行な娯楽じゃ満たされないんだ。

 いつまでも心地よい想い出の布団にくるまっていたいのなら、そうすればいい。キミの人生だ。誰に構うこともない。でもキミは今のままでいたくないから、こうしてメールを送ったんだろ?

別に何か特別なことをしなくちゃいけないと自分を追い込む必要はない。なんでもいい、目の前の何かに本気で向き合うんだ。深く一歩を踏み出してみな。その本気は、必ず見つけてもらえる。

ボクはもうずっとこの世界にいる、そんな僕から一言言わせてもらうと、人に幸せを与える側に参加できるということはとても嬉しく、また誇らしいものなんだ。

きっと君はもう、自分が進むべき方向はわかったんじゃないかな。

そうやって、君が誰かのことを想って一生懸命に一生懸命に生きた時、キミの中にかつて応援していた彼女たちがいる、そのことに気付く瞬間が必ずくる。なぜならそれは、彼女たちがキミたちファンに最後に託した「想い」そのものだから。

だからさ、立ち上がって、こっちにおいで。待ってるから。

 

さ、このコーナーではみなさんからの真剣なお悩み募集しています。人生の深い悩みでもライトな悩みでも恋愛に関することでも何でもOK。以上早ママのロンリーナイト人生相談でした。

 

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というわけで、本記事は『Wake Up, Girls! Advent Calendar 2020』21日目の記事です。

adventar.org

何度も何度も聞き返している僕の大好きなラジオ「鈴村健一のユニゾン!」を逆輸入した早坂さんの架空ラジオ番組を認めてみました。笑って泣ける、ラジオの良さが全部詰まった1時間でした。

WUGの解散が発表された時もそのひとつですが、ユニゾン!が終了してから何度も「今、木曜ユニゾン!があったらなあ」と思うことがあり、ただその想いのまま書きましたが、齢27の若輩者には鈴村さんや、まして早坂さんの域の言葉など全く浮かばず、ただただ等身大の自問自答になってしまいましたが。

アニメ「Wake Up,Girls!」は本当に僕の尊敬する声優さんが数多く出演されていて、しかしユニットの解散にあたって、直接コメントを寄せるような機会がない人の方が多かったように思いました。大先輩からしたら長いキャリアの一役に過ぎない、その事実が、WUGもその声優さんも両方好きだからこそ、少し寂しく感じました。だからこそHOMEツアーやSSAで白木さんや大田さん、丹下社長に松田さんに早坂さんの録り下ろしの音源を聴けたとき、ああこの人たちの人生に「WUGの最後」をほんの少しでも想ってくれた時間があったんだなあと実感がもてたので、計らってくださった方々に心の底から感謝の気持ちでいっぱいです。

音源、遺してほしかったなあ。。

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こちら下書きに眠っていた『Wake Up, Girls! Advent Calendar 2020』のボツ記事を、当時ラジオが放送していた木曜25時に供養します。

あれから2年、なんとあの木曜ユニゾンが形を変えて帰ってきました!

joqr.co.jp

この記事の元ネタ「ロンリーナイト人生相談」コーナーも復活!ワグナーもそうじゃない人も、ぜひ聴いてみてください。YouTubeアーカイブも公開されていますよ。